手に入ったものと、手に入らなかったもの
あたしは、
この数年で多くのものを手に入れて、
たくさんの幸せを実感することができた。
客観的に見たら、
本当に幸せな奥様で、
本当に幸せな人生を送っているのでしょう。
あたしだって、自分のことを心底幸せ者だと思っているのです。
なのに時々、
手に入らなかったものの亡霊が、
「本当に幸せなの?」
って聞いてくる気がするのです。
本当に幸せなのに、
あなたに何がわかるの?!って腹立たしくなりながら、
まだ鈍い胸の痛みは続いていくのです。
日々の生活の忙しさに埋没しながら、
その胸の痛みは、
あたしがあの時を生きていたことを
証明してくれています。
いつになったら
解放されるのかしら。